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岡本 和憲 医師(耳鼻咽喉科)

耳鼻咽喉科の診療領域はコミュニケーションに欠かせない大切な器官

聞くこと、話すこと、食べること、呼吸すること。これらはすべて耳鼻咽喉科の診療領域であり、毎日生活するうえで大切な機能です。だからこそ、少しでも異変があったらすぐに相談してほしいと考えています。

先生が医師を志したきっかけ、耳鼻咽喉科を選んだ理由を教えてください

医師を目指す仲間がたくさん周囲にいたというのが大きなきっかけでしたね。そのときの自分なりに将来のことを考えて、やりがいのある仕事で経済的にも優遇されているだろうし、テレビドラマを見てカッコよかったという部分もありますかね。

耳鼻咽喉科を選んだのは、細かい作業が好きだったというのと、自分が大学で入った耳鼻咽喉科の教室の先生方がとてもすてきだったのが理由です。そこで耳鼻咽喉科の診療領域は人と人とのコミュニケーションに欠かせない器官が多く、人間が集団で生きていくうえで大切な感覚や機能を扱うということを学びました。聞くことも話すことも、呼吸することも食べることも、毎日の生活で欠かせない基本的な部分であり、それらを診療する耳鼻咽喉科という科目に、非常に興味を惹かれました。

先生が診療の際に心がけていることを教えてください

病気をきちんと診るというのは当然なんですが、患者さんになんでも気軽に質問してもらえるように、緊張しないような雰囲気づくりをしています。初診の方でも心をほぐしてもらえるように、普段通りに気さくに話しかけます。ちょっと威厳がないかもしれませんが、たとえ医師らしく思われなくても、患者さんに楽にしていただけるのがいちばんです。

それから、説明にも気を配ります。耳鼻咽喉科はお子さんとご年配の方が多く、それぞれの患者さんに合わせた説明が必要になります。とくに年齢を重ねると聞こえにくさを感じていたり、認知症をわずらっていたり、さまざまな方がいらっしゃるので、気長に時間をかけてでも理解していただけるように努めています。

スタッフの教育面で力を入れているところを教えてください

当院では毎月1回、テーマを決めて院内で勉強会をしています。また外部講師を呼んでの講演も、年に数回おこなっています。とくに当院はお子さんが多いため、必然的に感染症の患者さんも多くなります。そのため感染制御に詳しい方を呼んで、感染を広げないための工夫を実地でアドバイスしてもらい、感染予防には意欲的に取り組んでいます。

具体的には、患者さんが床に吐いてしまったとしてもすぐ取り換えられるタイルカーペットを使用、付き添いのお子さんも入れるよう複数の隔離室を用意、飛沫感染予防につながる広い待合室、感染を予防するためにキッズルームはあえて作らない、などです。

看護師やスタッフも前向きな方が多く、小児科と耳鼻咽喉科のジョブローテーションなど、進んで勉強してくださる方ばかりなので、とてもありがたいです。

ネット予約を取り入れている理由を教えてください

昔は順番に来てもらって、紙に名前書いて予約を取るという形を取っていたのですが、広い待合室に立って待っている方もいるぐらいぎゅうぎゅうになってしまって、感染予防の観点からもこれはよくないなと思い、ネットでの時間予約システムを導入しました。できるだけ待合室での待ち時間を短くする、待合室での待機人数を減らすというのが狙いです。

もちろん予約がいっぱいで取れなかった場合にも、診察時間内に来院していただければ受診できます。また、緊急を要する症状がある場合は、まずお電話でご相談いただければと思います。予約時間に関係なく診察することもあります。

岡本 真理子 医師(小児科)

お子さんが頑張れるように治療のゴールを伝えながら診療しています

お子さんには病院を怖がらないように優しく語り掛け、親御さんにはちゃんと納得のいく説明を。おせっかいと思われるかな、と思いますが、コミュニケーションを重視した診療をおこなっています。

先生が医師を目指したきっかけを教えてください

私が小さいころから母が病気がちで入退院を繰り返しており、また10歳下の妹が病気にかかることが多く、小学校高学年くらいから医療に対して興味を持っていました。

具体的に医師を目指そうと思ったのは、高校生のときです。母が長期間入院したのが大きなきっかけでした。医学への興味というよりは、「なんで母は入院しているんだろう」、「なんで手術になったのかな」、「もっと早くなんとかできないのかな」など、母の病気のことをもっとわかるようになりたいという思いが強かったような気がします。

数ある診療科目のなかで、小児科を選んだのはどうしてですか?

私が10歳のときに生まれた妹が成長する姿を見て、「なんで誰も教えないのにしゃべったり、歩いたりできるようになるんだろう?」と、小さいころから子どもの成長・発達に興味がありました。それから、妹はよく自家中毒になっていたんですが、小児科の先生が診てくれると、翌日には元気になっている。何かの助けを加えることで、今まで通りの生活に戻れるということが、とても不思議だったんです。

また、昭和の初めの時代に私の叔母が腸重積という病気にかかって、小児科の医師によって命を救われたという話を聞いていたので、「小児科の先生はとても偉大ですごいんだ!」と小さいころからインプットされていたというのも理由のひとつです。小児科を選んだのは、いわゆる憧れですね。

先生が診察の際に心がけていることを教えてください

なるべくお子さんにもわかるように、その子なりに理解できるように病気を説明するようにしています。また、注射などなにかの処置をするときには、「あと何秒我慢したら大丈夫だよ」などと、ゴールが見えるようにします。ゴールが見えると子どもって頑張れるんですよ。それから、お子さんの気持ちをほぐすために、からだにふれるように意識していますね。

親御さんには説明だけでなく、実際にお腹や胸を見せながら、「これが普段の状態だよ、これがこうなったらおかしいから病院に来てね」と、親御さんがお子さんの異変にすぐ気づけるようにサポートしてあげることも、小児科の医師として大切な役割だと思っています。

耳鼻咽喉科と小児科を併設されていますが、患者さんにどんなメリットがありますか?

小児科は、子どもの病気の総合的な窓口です。お子さんの状態を診て、必要があれば整形外科、小児外科、眼科、皮膚科など、専門の診療所へナビゲートする役割があります。

なかでも小児科と密接な関係にあるのが、耳鼻咽喉科です。子どもはかぜから中耳炎になったり、副鼻腔炎になったりすることが多く、耳鼻咽喉科との連携は欠かせないものといえるでしょう。小児科で耳鼻咽喉科での治療が必要と判断した場合には、その日のうちに診療・処置ができるようにしていますので、早め早めの対応が可能です。症状が軽いうちに治療にかかれば、重症化の予防につながるというメリットもあります。

看護師さんは小児科と耳鼻咽喉科の両方を担当しているのですか?

看護師には開院当初からジョブローテーションという形で、小児科と耳鼻咽喉科それぞれをある程度の期間ずつ担当してもらうようにしています。これは小児科としては看護師にも一人の患者さんをトータルにケアできるようになってほしい、アンテナをたくさん持ってほしいという思いから始めました。医師の隣で診察を見てたくさん経験を積むことで「こんなときの熱の出方は中耳炎なんだな」と実際に患者さんを診ながら学ぶことができます。また、耳鼻咽喉科にはお子さんだけでなくご年配の方もいらっしゃいますので、対応の仕方も勉強してもらう必要があるからです。

看護師たちがもし私たちの医院を離れたとしても、ここで学んだことがその人の職業人生においてプラスになっていればうれしいですね。